第二回 喜びに向かって解(ほど)くものと、結び直す楽しみ

真っ白でやわらかいその素材にすっぽり身を包むと、 日々知らずの内にため込んだ心の傷や病をそっと優しく包み込んで お手当てをしていただいている様な気持になる時があります 薬を服用するという言葉がありますが、 もともと服は病を癒す術として用いられたそうです。 「服用」の語源もここからきていると中国の歴史書(書経)に記されているようです 服の御用は、心身を解きほぐすお役目なのかもしれません 人と服との関係は不思議ですね。 このやさしさとぬくもりを大切に、 お客様の手と作り手の手が互いに喜びをまつり縫いながら、 相互の癒しと絆を深めていけたらこんなに嬉しく有難いことはありません 喜び招く福となります様に、その思いを繋ぐ糸でひと針ひと針想いを込めて…。